脚立の日記

きゃたつのにっき

人間は、何が信じられないって、それは自分のことが一番信じられない。

なんだかちょっと、強めなタイトルです。

 

こんにちは。脚立です。

 

今日は、

 

この言葉が、自分の口から出たときのことについて、

 

書こうと思います。

 

 

息子八兵衛が幼稚園児の時、同級生のママの中に、とびきりフレンドリーな人がいました。

3人姉弟のママさんで、真ん中の女の子が八兵衛と同い年、一番下はオムツがもうすぐ取れそうな弟君でした。

何かの拍子に私が、一番の望みは何?と聞いたら、彼女は大きな目で私をまっすぐ見て、「世界平和」と即答しました。

そんな溌剌ママさんの話し相手に、私は度々起用されていました。 

 

社宅もなく住宅手当も少なくて賃貸に暮らしていると、更新のたびに悩みます。

また二年後に高額な更新料を払うのかと思うともったいなくて、いっそのことなにがしかを購入してしまった方が、お得なんじゃないかと。それに、子供たちはどんどん大きくなってきます。

通勤時間のことがあるので、住める地域にも制限があり、どれをどう優先しようかと、悶々と悩みます。

我が家も、似た状況を通ってきたので、彼女の気持ちがよくわかりました。

 そして、八兵衛たちはあと数か月もしたら卒園、オムツだった弟君が入れ替わりに入園、という頃、住宅問題に何の進展もないままで、彼女の焦りのボルテージは日に日に高まっていました。幼稚園のお迎えの時、彼女に呼び止められ話を聞いているうちに、私の口は、

 

3年後に弟君が幼稚園を卒園したら、その保育料と今住んでる所の賃料と、それに後ちょっと足したら、買って引っ越せるようになるよ。その期間に、部屋の片付けをして、いつでも引っ越せるようにしといたらいいよ。

 

と、言いました。

 

彼女は焦る気持ちを抑えて、少し納得してくれたようでした。

 

それから無事に、我が子たちは幼稚園を卒園し、小学校は隣同士の学区だったため、顔を合わせる機会があまりなく三年ほど経ちました。

その溌剌ママと私には、もう一人共通の仲の良いママがいて、私たちは当時こちらのお宅に集まっていました。気持ちのすっきりした姐御肌のママさんでした。(あっそうそう、私はこのすっきりママの手が大好きなんです。心地いい温かさの手なんです。)このママとも子供の通う小学校は違いましたが、交流は続いていました。

その日は久しぶりに三人揃うはずでしたが、実際は私だけがお邪魔しました。

溌剌ママは、リフォームや引っ越し準備のため、多忙でこれませんでした!!

そう、溌剌ママの念願だった希望が、形になろうとしていました。

そして、すっきりママには、こう言われました。

 

「本当にきゃた子が言ってた通りに、今まで払っていた幼稚園代とアパート代にチョット足して済んだんだって。タイミングも弟の卒園時期だって驚いてたよ。シャーマンきゃた子だ!!って、言ってたんだよ~。」

 

 それを聞いて、私の口は、このタイトルを言ったんです。

 

人間、何が信じられないかって言ったら、自分のことが一番信じられないんだよね。

生まれてこのかたずっと、親の家に住んでいるから、まさかこんな高額なものを自分たちで買って住むなんて思えないんだよ。だから、何度も不動産屋に行って話を聞いたり、物件見たりしているうちに、だんだん出来るかもって、その気になってくるんだよね。そんな感じで、だからシャーマンでも何でもないんだよ。

 

この時私は、自分の口が言っているのを、ああ、そういうことか、と思いながら聞いていました。

 

この時の光景を、最近ふと思い出したんです。

そして、結局、予言とか占いとかは、客観性を売ってるのかもな、と思ったんです。私は彼女と似たようなところを通って来たから、未透視が立っただけなんです。でも当事者だと、真剣に一生懸命考えているがゆえに客観的になれず、かえって未透視が立たなくなってしまう。

そういう時に、自分を信じられていれば、一時客観性がなくなっているだけだと気が付ける。そうしたら、たとえ物事が煮詰まっても焦らずに、自分で自分を追い込んでいることに気が付いて、また気持ちに余裕が生まれて自分のペースで進めていけるんだなと、数年たって、私自身があらためて、出来事を飲み込みました。

 

振り返ってみると当時の私には、

 

自分自身を、一体どうしたらいいんだろう?

 

という、閉塞的な疑問があって、でも今は、その答えが以前より解るようになったから、急にやり残した宿題を思い出して、終わらせたんじゃないかな?という気がします。

 

欲しい答えがどこにあるかといえば、それはだいたい、その過程そのものなんですよね…。今すぐどうにかしなきゃ!という気持ちが強すぎて、その時の私には、自分に余裕がないっていうことさえ、まったく思いもつかないことだったんたんです。

 

 

自分を信じられないという思いを、どうしたらいいのか?

 

今の私なら、あの時の私に優しい気持ちで、こう言います。

 

特段気にしなくていいよ。そのまま見守っていたらそのうち、よくなってるよ。