少食な僕は食べるのが嫌いなんじゃない。味わって食べてるから少しの量で充分なだけ。
こんにちは。脚立です。
今日は、
息子・八兵衛にまつわる少食のあれこれ、
について書こうと思います。
ということで、
上のタイトルを言ったのは、
そう、八兵衛本人です。
中学1年の終わり、ちょうど声変わりしたての頃です。
これを聞いた時、私はまさしく目からうろこでした。
ホント、そうだよねー!そういうことだよねー!
と、今までの自身の狼藉の数々を棚に上げ、
敵だったのに、急に味方にひるがえり、
私はいたく感心し、今までの非礼の数々を詫び、
片や、八兵衛は、穏やかにうなずき許してくれたのですが、それもつかの間、
だったら、もっと早くそう言ってよー!
と、母、豹変。
返す返すも、ホントすいません。
母の、焦りの悪循環が止まりません。
まだホンの小さい頃は、
ちょびちょび食べんなー、
と、思ってはいても、
私も大して気に留めていなかったのですが、
幼稚園に上がりだすと徐々に、なんでだろー?と気になりだしました。
さらに、小学生になった時には、
とうとう私の本格的な指導が入りました。
「もっとこう、バクバク食べなよー!!
一口一口が、少なすぎんだよー!!」
と、年がら年中、八兵衛の食べ方に口を出していました。
なぜなら、集団生活でのお弁当・給食が始まると、
時間内に食べられない!!ということが、
最初のつまずきになるからです。
当然、八兵衛は、給食終了後のボッチ飯の常連客でした。
クラスにもう一人、男の子の常連客がいて、
それが唯一の救いでした。
当時彼らの絆には、固いものがありました。
高校生になった今からすれば、こーんなこと、
つまずきでも何でもないのですが、
その頃は、担任の先生による家庭訪問や個人面談でも、
この『時間内に食べられない』
ということが、めっちゃ問題視されるのです。
私も、めっちゃ真正面からキャッチャーミットで受け止めました。
バシッと。
私は良い母、を意識しすぎちゃったんですよね。
八兵衛にではなく、外の先生とか、他の保護者の人とか、社会的な目の方に。
すみません。
でも、時間内に食べられないなんて些細なことを、
なんで問題視しちゃってたんだろう?
私はついこの前まで、まったく深く考えることもなく、
集団生活で、全員が時間内に物事を終えるのは、
すごく当たり前のことだと思っていたのですが、
先日、八兵衛の姉の茶柱が言っていたのです。
小学校の給食の時間は、20分だよ、と。
ぎょえー!!
なら、絶対無理だわ、八兵衛。
しかも、体操着からの着替えとか、
教室移動とかで時間はたいてい押す、とのこと。
そういえば、かつて、
「もっとゆっくり食べさせてあげたいんだけど…」
と、言ってくれた先生もいました。
私がその時、狼狽せずにいたら、
もっと、色々と受け止める気持ちになれたんだと思います。
そうしたら、上のタイトルの言葉を、
中学一年生ではなく、小学一年生の八兵衛に、
言わせてあげることができたのだ、とあらためて思いました。
中学に上がってもまだ担任の先生に、
「栄養、足りてますかー?」
と、言われれたり、
同級生のお母さんに、
「八兵衛君、食べる量が小鳥並みだって?」
と聞かれ、
「光合成で栄養補給してるみたいよー!!」
と返していたのですが、
度々続いたもんで、チョットうんざりきていて、
八兵衛相手に、
生まれてこのかたインフルになったこともなく、ずっと皆勤なのにねええ、
てやんでい!
と口をとがらせた私に、八兵衛が上のタイトルを言ったのでした。
そして、「味を味わってるから、量は問題じゃないんだよ。」って。
ガーン!!
この時、私の中で、大きく何かが変わりました。
自分に必要な量がわかっていて、
それを、大切に食べてるってことじゃンねえ。
そうか、そういうことかと、
私はこの時から、このお言葉を胸に、
今までに、何度も、何度も、何度も、座絶した、
厳しく険しいダイエット道の、遠い彼方に燦然ときらめく明星を目指し、
新たな一歩を踏み出し、突き進み始めたのであります。
めでたし、めでたし。
ということにしても、いいですか?八兵衛…。